2018年12月25日

聖夜、思案

思い出せないことが少しずつ増えて来たのだけど、忘れたんじゃなくて深いところにしまっているだけで、ふとした瞬間にぶわーっと襲来しやがって恐いって瞬間、あるよね。



重ね重ねになりますが、舞台公演期間中や事務所に届くお手紙、プレゼントなど全て手元に届いております。

本当に活力になります。


皆さまの言葉、手紙という手段の労力、思い遣り。


手紙に関しては全て保管してあります。

キモいかもしれんけどたまに引っ張り出してきて読み返したりします。

皆さまからのお手紙を読み返すことで、あの公演の時はこうだったな、楽しかったな、大変だったなを、取り戻すことが出来るのです。


俳優業は『覚えること』が仕事のように感じられますが同時に『忘れること』も大事なようです。

なようです、と言うのは俺にはそれがあまりピンときてないからで、一度染み付いたものはなかなか忘れることは出来ないし冒頭に書いたように蓄積されて埋もれていくだけな気がしていて、本当の意味で忘れるってのはなかなか難しいんじゃないかな。

曰く、忘れないと新しい情報が入らないそうな。


厳密に言えばもちろん、ディテールは忘れているんですよ。

でも感覚や大いなる疑問や焦燥や、希望とか後悔とか強烈な部分はしっかり残っている。

そういうフワンフワンしたものをそのままにしておくと霧散してしまうから、どっかにしまっているんですな。


皆さまのお手紙はその保管庫?金庫?を開ける鍵です。

必要な時があるんですしまっているそれらが。


だから、ありがとうございます。



最寄駅の近くに立ち喰い蕎麦屋がある。

有名なチェーン店だ。


この店の店員さんの話。

は、一度置いといて。


学生街ということもあって道には大学の警備員さんが立っているし夜中の警察の巡回も多く、ツイッターにも書いたが良く職務質問をしていたりする。

つまり、公の人が多い街なのだけど。


どうにも俺はこの街で学生に間違えられる。

いやいやいや33歳のおっさんですよ?

若めの顔つきな自覚はあるけど大学生より10は上の俺を学生と間違えるのはどういうことなのかと、考えながら家路に着くことが侭ある。

なぜ学生に間違えられているのかが分かったかと言うと、この人たちには共通点があるからだ。


この人たちは基本、俺にタメ語なのだ。

相手はどんなに若い警察官でもせいぜい俺と同い年くらいに見受けられるし、警備をしている方々は50から60歳くらいの方々だ。

なのでタメ語になる理屈は分からなくはないが、いくら自分が歳上だろうとあまり関係の深くない、なんなら初対面の人に対してタメ語を使うという感覚は、俺は分からない。

つまり、侮られているという訳だ。

こいつにはタメ語でいいと、思われている訳だ。

加えて、俺の顔馴染みの警察官は俺が夜中にご飯食べに出歩くと『勉強の息抜き?頑張ってな!』と声を掛けてくる始末。


それはまぁいい。

言いたいことはただ一つ。


そういう人苦手


ということだ。


で、蕎麦屋の店員さんですよ。

この人も基本タメ語。

でもなぜか許せちゃうんですよねこの人の場合。

何故なのかがやっと分かりました。

この店員さんはいつもしっかりこちらの目を見てくれているんです。

そしていつもニコニコ対応してくれる。

食べ終わって食器下げたら『ありがとな!』ですよでも全然嫌じゃない。

意思の疎通がはかれてる、気がするから。


この『気がするから』って感覚は結構重要ですよ。

警察官や警備員の方たちは出会い頭、雰囲気を見ているんです目が全く合わない。

蕎麦屋の店員さんは人を見ているんです目が合う。

それだけで何か一つ疎通がはかれてる『気がする』もんなんですね。


そうなると完敗、学生に見られているのはこちらの努力不足と思わざるをえないんですな。


今、美少年という作品の手伝いで劇場に入り浸っていますけど、俺もかくありたい。

美少年が侮られたくないから、俺はお客様を客席で迎える身として皆さまの、雰囲気ではなく人をきちんと見て接しようと思う。

雰囲気と雰囲気を付き合わせてもフワフワしたものしか邂逅しない。

人と人のやりとりはやはり、有意義です。



悪いことばかりじゃあないんです。

若い役にキャスティングされたりしますから。

でも自分の振る舞い少し考えようと思う、クリスマスイブからクリスマスにかけての深夜、蕎麦屋からの帰り道に考えながら歩く33歳なのでした。



忘れよう。

posted by 玉置玲央 at 03:19| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
24日に観劇した際
玉置さんがいらっしゃる!
と密かにテンション上がっていたら
しっかり目を合わせてご挨拶いただいて嬉しかったです☺

省みると、人を見るということをおざなりにしがちな気がするので、気をつけようと思います。

蛇足ですが、
クリスマスは25日派です。
基本的にはキリストさんの誕生日ですし。
映画か何かで
クリスマスプレゼントは25日まで開封しないでツリーの下に置いておいて、
当日の朝に嬉しそうに包装紙をビリビリ破ってる子どもたちを観た気がするのです。
時代とか国にもよるのでしょうか?
24日に重きが置かれるようになったのは
クリスマスになる瞬間に一緒にいたい♡
という恋人たちと
そこに商機を見出した商売人さんたちの利害が一致したからだと勝手に思ってます(笑)。

長々と失礼しました。
Posted by at 2018年12月25日 18:40
人の記憶はキャパがあり、それが一杯になると少しずつ忘れてまた新しい記憶が追加されると言うイメージですね。
私は楽し時を過ごした思い出を、色々な事で覚えています。オリーブのベーグルとカフェオレもしっかり記憶の引き出しにしまってあります…
私がクリスマスのイルミネーションやどこへ行っても聞こえてくるクリスマスソングが心地良いのは、幼い時の楽しい思い出があるのでしょうか…
タメ口(ためろ?)は…玉置さんを学生と間違えているのであれば、親しみを込めて接してるのかな〜と思うところもありますよ
それを職務質問と言う不愉快な状況で受け入れ難い…かも?ですね(笑)
どんな強面で歩いてたのか想像してしまいます…なんだか微笑ましくてゴメンなさい
私は、行きたくても行けない、ただ楽しい話が聞きたいだけなのに、色々な発言で人を悲しませたり、不愉快にしている事に気付かないKYな人が苦手です…
かなりピンポイントですね
玉置さんがファンの皆さんに元気を貰っている様に玉置さんの発信されるブログやツイートは沢山の人に元気やパワーを贈っていると思いますよ!
Posted by ガマロ at 2018年12月26日 22:21
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