ツイッターには書かない、書けない事を。
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福岡でのワークショップは、自分にとって大変実りある時間だった。
舞台俳優全国交流事業
という企画を立ち上げて、メセナに助成金申請したのが去年で、まぁ見事助成は得れず、じゃあ自力と他力で地道に頑張るかってなって一年。
内容としては、非常にざっくり言えば
・大前提として、地域を超えた舞台俳優の交流の場の提供
・作家や演出家、プロデューサーではなく、イチ俳優が地域や演劇界を牽引していく為には何が必要か
・各地域の演劇創作環境の違い、舞台俳優の考え方や価値観の違い、それらの認識と考察
とかで。
その為に一番何が効率良く、かつ伝えやすいかなと思った時に、玉置玲央のキラーコンテンツである「いまさらキスシーン」と、それすらをも内包した「ワークショップ」だった訳です。
そのワークショップをやった印象として、福岡の俳優さん方に足りないのではなくもっともっと必要なのは、自分の考えも予想も及ばない「圧倒的なもの」を観る機会と、それに対して検証や考察をして自分の能力に落とし込む行為だなぁという印象でした。
自分が考え、常日頃考察している事を言わせてもらえば、身体や呼吸、発声や他者との交流、演劇の「手段」の根本にあるのは脳です。
全て、脳から信号が送られて次の現象、行為に繋がる訳です。
故に、脳に経験や映像があれば、脳が上等なら、脳が疾走すれば、何でも出来るはずなんです。
ってのは些か暴論ですが、イメージする事は誰でもやる事で。
その脳内のイメージが細かければ細かいほど、実感を伴えば伴うほど、そこから導き出される身体や声や感情は、観る者にとって信頼出来るものになるはずです。
そこで重要なのは、思い描いているイメージと実際自分がやっている事にどれくらいの齟齬があるのか、なんでその祖語は生じるのか、どうしたら齟齬は無くなるのか、その為に何が必要なのか、検証や考察をする事なんですね。
出来ない、けどとにかくやってみる。
じゃあいかんくて、明確な何かを捉えないと全くもって意味がない。
なんで。
どうして。
じゃあ
こうしたら。
これならどうだ。
が、もっともっと必要だなぁって、思いましたとさ。
脳を上等にする
言葉にすると漠然だけど、そんな事を考えて演劇やっています。
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今回、ワークショップを開けたのは、NPO法人FPAPさんのお陰でございます。
昨年、全国ツアーで福岡を訪れた際、舞台俳優全国交流事業の話をして、テンション上げ上げで是非ともやりましょう!って言ってくれたのが、職員であり福岡の劇団、劇団ぎゃ!の三坂恵美氏でした。
氏には感謝してもし切れない。
俺はやっぱり、演劇に献身的な人が大好きだ。
目で見て、話を聞いて、全力で接してみて、一発でそれが解る。
三坂さんにはそれがある。
俺はリーダーとして、彼女は職員として、しかし同じ演劇人としてワークショップを外から見ていたのだけど、非常に沢山の共通言語を交わす事が出来た。
とてつもない演劇的やり取りを積み重ねてきたわけではない間柄に於いても、それが成立したのが本当に嬉しかった。
明日、18日と19日、劇団ぎゃ!の公演がある。
三坂さんは主演のようです。
このブログを読んで興味を持たれた方、いらっしゃったら観に行って下さい。
彼女は間違いなく、良い芝居をする。
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須貝英のmonophonic orchestraに、リーディング公演で参加させて頂きました。
追加公演まで打たせて頂いて、兎にも角にも、観にきて下さった全ての方に感謝です。
須貝英とのやりとりは、本当に幸せだった。
お互い、自分の芝居に確固たる自信がある。
そして、舞台の上で共に過ごしてきた圧倒的な時間がある。
プライベートな時間も。
同じ方向を向きながら走り続けている。
つまり、俺と須貝の間には、途轍もない量の演劇共有財産がある訳で。
だから手に取るように解る。
何がしたいか何をしているか何を考えているか何を見て何を感じどうするか、手に取るように解るのだ。
なんて贅沢なやりとりだろう我々は。
って、思った。
観に来てくれた川村紗也が
二人が揃ったらもうそれだけで無敵だからずるいよ
って言ってくれた。
そんな思いを抱かせ、自身も感じれる場所にいる事、本当に幸せでした。
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無差別の稽古、始まりました。
まぁこれはおいおい。
柿喰う客は、次に行きます。
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今日も必死に息抜きます生き抜きます。