超可愛い扇風機が、我が家にやってきたのさ。
一人芝居の稽古が、静かに進行している。
三年前の台詞が、殆ど残っている。
三年前に初演をやった時に、俺はおこがましくも、セレクションに選ばれて再演すると思っていた。
だから、台詞を、呟いていた。
三年間、紡いでいた。
三年間で変わった事。
歳をとったし、背も少し伸びた。
交友関係も少しだけ変わったし、事務所に所属したり己の環境が大きく変わった。
身体は青年のそれから、大人へと変化していっている。
脂肪が減った。
対して上半身の筋肉の量が増している。
如実にでかくなった。
そして、如実に賢くなった。
舞台での、正に本番のその瞬間の、目に入れる情報や耳に入れる情報、脳内回路の組み方とかが、効率化を増していて。
筋肉の瞬間的な使い方も、持続するスタミナの配分も。
演劇的に賢くなっている。
修羅場を、死線を、あれから何度か潜って、勘とか嗅覚も鋭敏になって。
でもそれでも不安なのは、微妙に変わった台詞がきちんと覚えられるかとか、三年前より面白いのかとか、それもそうなんだが。
上演される事によって、三年間で衰えた部分が否応無しに炙り出されるのが不安なんだと思う。
人間が衰えを感じるのは果たして何歳からか。
それは当然人による。
鍛練の度合いにもよる。
もし衰えを発見したら、もしかしたらその衰えは抗えない類のもので、こっから至るところにこの衰えが波及していくのだなぁと、自覚したくないんだと思う。
人間はそれを回避する為に、上等な日々を過ごすべく努力したり、短所を補い続けたり、逆に長所を圧倒的な位まで磨き上げたり。
演劇的な意味で処世術を駆使して生きていくのだ。
そんな事に、今は未だ、頭を悩ませたくないのだ。
ぶっちゃけ、気にせず生きれば良いんだけどねそんな事は。
ただ、今現在、お客様に提供出来ている水準より下がるようなことは、したくないんだよやっぱり。
例え芝居風が、変わるべくして形を変えたとしても、それだけは死守したい。
俺の夢は、60歳越えても、今と全く同じパフォーマンスを提供すること。
跳んで走って叫んで。
バク転バク中当たり前。
挙げ句の果てには脱ぎ散らかす爺。
最高じゃないか。
更に言えば、今と全く同じどころか、より一層成長しているよう努力する。
それは当たり前のこと。
もし自分が客で、そんな爺さん舞台に出てきたら爆笑する。
ときめいちゃう。
そんな、夢といいましょうか、希望といいましょうか。
に繋がる不安を、三年間を経てのこの再演に感じている訳です。
まぁ。
払拭します。
そんな不安は。
自分を信頼していて、幸い、演劇で自分に失望した事は皆無です。
めでたい野郎なんです。
杞憂に終わることでしょう。
シアターガイドに、阿佐ヶ谷スパイダースの稽古場風景が載っていて、中村のまことさんと初音嬢と川村紗也と佐藤のみゆきさんの姿を確認して。
なんか嬉しいこの繋がり。
戯伝写楽とは別に、ある一件があってから俺は、中村まことさんと共演したくてしたくてしょうがない。
出てる芝居を観てもらうでも良い。
兎に角、どうやら俺は、まことさんに夢中らしい。
ああいう演劇人になりたいと、切に思う。
速報
一人芝居もありますが、今年は10月にも大阪に赴きます。
飛龍伝にも挟み込まれていたと思いますが、伊坂幸太郎さん原作の、氏のデビュー作『オーデュボンの祈り』の舞台化にあたりまして、出演させていただく事になりました。
演出にラサール石井さん。
共演者には憧れの河原雅彦さんら豪華な大人に囲まれて、秋の大阪に乗り込みます。
更に
まだまだまだまだ詳しいことはオフレコですが、2012年の4月にも大阪に赴くかもしれません。
盛り沢山。
私事ではありますが、一人芝居フェスまでで、俺の中で現場が一段落します。
勿論どんどん出演は続くのですが。
だからって訳ではないけれど、きっちり勤めあげて演劇人として、更なる高みに向かおうと思います。
紫陽花が庭に咲いていて、梅雨はそれだけで全然嫌な気分じゃなくて。
ってかもう夏だし。
夏を、全国渡り歩いて、締括ります。
ご予約はトップページから。
絶対観てほしい。
紫陽花が好きだ。